2008年7月に仕事の休みを利用し北インドのチベット文化圏、
ラダックを訪れました。
ラダック滞在は4泊5日。
短いながらも ヘミス・ゴンパのお祭りやラダックの濃いチベット文化を堪能 しました。
Contents
日程
1日目:成田発→上海経由→ニューデリー →レー
2日目:レー周辺(マト、ストクナゴンパ)
3日目:下ラダック(アルチ、ラマユルゴンパ)
4日目:パンゴン湖
5日目:へミスでのツチェ鑑賞
6日目:ニューデリーでアーユルヴェーダ体験
7日目:ニューデリー→上海→成田
移動
インドの旅はトラブルがつき物。
それは以前、北インドを旅行したときに十分わかっていたのですが、この旅もはじまりから、トラブルでした。
行きの飛行機が遅れ、明け方4時ニューデリー国際航空に到着するも、予約していたレー行きの早朝の国内便には間に合わず、 改めて別のエアラインのチケットを買い直すはめに。
しかーし、購入したチケットをふと見ると、飛行機の出発は30分後。。
時間ないじゃん!っと、荷物も預けず、発券もセキュリティーチェックも長蛇の列を全て割り込みで通りぬけ、 ようやく搭乗口についたもの、”madam,your flight has gone.”と航空会社の人に言われ、泣きそうになりましたが。。
その後まだ離陸してないことが判明。まったく冷や汗ものでした。 レーにフライトで向かう場合、前日はデリー泊をお勧めします。
ニューデリーからラダックの都市・レーまで飛行機で1時間半。
到着した空港は岩山に囲まれ、ブータンの空港を彷彿とさせます。
1日目:レー市内(王宮・ ナムギャル・ツェモ)
一日目は偶然知り合ったアメリカ人とレー観光。
レーの北、岩山の中腹に建つ「レー王宮」、レーの北にそびえ、山頂に砦跡とゴンパを有す「ナムギャル・ツェモ」へ。。
眺めが素晴らしく、レーの青い空を堪能しました。
2日目 上ラダック
ローカルバスでレー周辺上ラダックのゴンパ(お寺)巡り。
上ラダックのゴンパは比較的レーの周辺にかたまっています。
ただバスがしょっちゅうあるわけではなく通りすがりのバスをヒッチハイク。旅では基本ヒッチはしないと決めている私もいつまでたってもバスがないので、ここで人生で初めてのヒッチ(しかも軍のジープ)をしました。 軍の方とはいえ非常にハッピーな方々でした★
ティクセ・ゴンパはカルー方面行バス途中下車、岩山にそびえる要塞型ゴンパです。
そして、レー郊外にそびえるシャンティ・ストゥーパ(仏塔)へ。
高台に位置する塔からはレーの町並みを一望することができます。
ストゥーパの隣には日本寺があり、
私が日本人だと知ると、ラマ僧とそこの管理人のおじちゃんが 中に招待してくれ、チャイをごちそうしてくれました。
日本のお寺だけあって、風鈴があったり、経典が日本語だったり、と不思議と平和な気持ちになりました。
2日目 下ラダック
この日は絶対にいきたかったラマユル、アルチゴンパに加えてリキルゴンパという、かなり欲張りなゴンパ巡り。
ローカルバスでいくと最低2日半はかかるルートですが、社会人旅行で時間のない私は、旅行会社でバイク&ドライバーを手配してもらいました。
朝6時半にでて、帰ってきたのは夜。
多分8時間くらいバイクに乗っていました、悪路もあるし、帰ってきたころにはお尻がめっちゃ痛かったです。
でも、アルチの彫刻と、壁画は本当にすばらしかったです。
壁画の細かい描写とその規模。
四方壁画に囲まれたゴンパの中にいるだけで、圧倒され不思議な何ともいえない精神状態になりました。
すべてのゴンパで五体投地で祈りをささげ、仏像と壁画の迫力に圧倒された一日でした。
4日目 パンゴン・ツォ
ゴンパ巡りもいいけど自然に触れるのもいいかなと思い、 韓国人とイスラエル人とランクルをチャーターして、チベットとインドの国境にある湖へ、レーから4時間かけて向かいました。(ツアーは前日にレーの旅行会社で手配可)
その聖なる湖には、何種類のも青色が存在していました。
太陽の光によって、変わる深い青、浅い青、ターコイズブルー。
ターコイズは私のもっとも好きな色。
とても美しい湖です。
宿は、湖畔でレストランを営む農民のテント。
お昼を食べてから、一人湖畔で瞑想しました。
ヨガをやめてしまってから、こんな時間を持つことがなかったから、 なかなか心を静めることができなかったのですが、水の波打つ音を聞きながら、 本当に心地がよかったです。
ドライバーとトレッキングガイドをしているラダッキと友達になって、 湖の穴場ポイント、少し離れた農村にいき、芝生に寝っ転がって、ラダッキの考え方とか、 色々お話をしました。
ラダッキはチベタンとやっぱり共通点が多い。
私の大好きな、見習うべき考え方。 そして夜、湖畔でみた星空は、本当に星が空から落ちてきそうなほど、満点の星で輝いていました。
5日目 へミス他ゴンパめぐり
朝5時に起き、日の出観賞。すっごい寒かったけど、おじちゃんの入れてくれるチャイがカラダも心もあっためてくれました。
午後、レーに戻る皆と別れて、私はへミス・ゴンパで一人下車しました。 なぜなら次の日に、ここで1年に一度のツチェ(お祭り)が開催されるのです。
とはいえ、ここは山に囲まれたゴンパ。
こんな辺鄙な場所に世界中から観光客がやってくるので、もちろん宿なんて取れないし、 そもそも周辺にほとんど宿泊施設がありません。
他の人はテントをはったりしてたけど、私は持ってないので、近くの民家に泊めてもらうことにしました。
ラダッキの家に頼めば泊めてもらえるよ、と聞いていたのですが、 そんな簡単に泊めてもらえるのか、やっぱり不安でした。
でも、最初に話しかけて頼んだおじいちゃんが、さくっと泊めてくれました。
お礼としていくら払えばいい?って聞いたところ
“as you like”
とのこと。。。
話には聞いていたけど、ラダッキも相手に見返りを求めるという気持ちがあまりなく、 もともとの感情として、人に親切にしたり、与える気持ちが備わってる、そんな民族なのです。
私はその優しさと、彼らの笑顔に魅せられて、初めてラサを訪れたときからずっと チベット文化圏のとりこなのです。
へミスから歩いてスタクナ・ゴンパへ。
途中でちょうどへミスからスタクナ・ゴンパへ向かうバスがきたので、バスに乗りましたが、完全ローカルバスなので、 ほかのお客さんは皆外国人の私を不思議そうな目で見ていました。
ゴンパに着いたのはお昼すぎ。
周辺にレストランなんてないので、水やお菓子を売っている小屋(本当に、ほったて小屋^^;)で、 インスタントラーメンを煮てもらって食べました。
本当にさみしいランチなんだけど、そんな風に思えず、車通りもほとんどない荒涼の大地で、インスタントラーメンをすすっている、そんな自分が何か面白いなぁと一人楽しくなっていました^^
スタクナ・ゴンパ。
ゴンパ自体は小さいのだけど、千手観音像と渋い壁画に感動。
ここで偶然、三重に住んでいたというラダッキと知り合いになりました。日本人と結婚して、濃い関西弁を話す彼は、子どもをこっちの学校で育てたいから インドへ戻ってきたそうです。
この人たちも非常に良い人たちで、ストクナからマト・ゴンパへ歩いて向かうという私を本当に心配してくれました。
なぜならマトまでは歩いて2時間以上かかる上、向こうについてからへミスに戻るバスや車はなく、 へミスへ戻るバスがあるストクナにまた帰ってきたとしても、夜になっており、そんな時間にバスは当然、ないからです。
なので、マトは諦めて彼らの家に泊まり明日一緒にヘミス・ツチェに行こうとお誘いを受け、悩んだのですが。 私はやはり一人マトへ向かうことにしました。
彼らに呆れられながらも、一路、マトへ。。
しかし、途中で自分の甘さに気がつきました。
猛烈な炎天下。そして、歩いても歩いても近くに見えるマトは、小さいまま。 近道しようと草だらけの道なき道を、ひたすら歩きます。 途中で何度も、元来た道を戻ろうかと思いましたが やっぱり、後悔したくない気持ちが勝ち、道中すばらしい菜の花畑とラダッキの子どもの笑顔に出会うことが出来、 丘の上のマトゴンパについたときは本当に感動しました。
が、悲しいことにマトは工事中で半分くらいしか解放しておらず。 でも最後に、たまたま鍵を持っているラマ僧が戻ってきて、 他の観光客にはあけないという部屋を開けてくれました。その上、マトはサキャ派ゴンパなので、私が中央チベットのサキャ・ゴンパに行ったという話をしたら とても喜んでくれて、高僧の写真を見せてくれました。
帰りは運良くイタリア人の団体がランドクルーザーを貸し切ってきていたので、頼んで乗せてもらうことに。。
イタリア人のグループの人たちはとても陽気で、彼らからのディナーのお誘いも嬉しかったのだけど、ルートが違うので車を途中でおり、そこからタクシーでヘミスへ戻りました。
夜のヘミス・ゴンパは明日のツチェに向けて、たくさんのお店がでていました。
ザンスカールから来ているラダッキの兄弟と友達になり、チャイをご馳走になりました。
旅をしているとたくさんの出会いがあります。
6日目 へミスのツチェ
ツチェが始まるまえにゴンパをゆっくり見たかったので、早朝に起き、ヘミス・ゴンパへ向かいました。
ツチェ開始まで3時間。
場所取りをしてひたすら待っていたら、雨が降ってきました。 ひとり、じぃっと地べたに座って待っていた私に、周りにいた団体のオーストリア人のおじちゃんが、 椅子をくれ、その後、ランチまでくれました。
またもや、人のやさしさに触れました。
色とりどりの派手な衣装を身にまとい、不思議な仮面をかぶったラマ僧達が、ぐるぐると舞を踊ります。 けれど、観光客のカメラのフラッシュの嵐のためか、ブータンでのツチェのような神聖な雰囲気が感じられませんでした。
タンカ(仏画)開帳はすばらしかったものの午後にはバスでレーへ戻りました。
3日ぶりのシャワー。水だけど、やっぱりシャワーは幸せでした。
7日目 レー→ニューデリー
レーから飛行機であっという間に、ニューデリーへ。
アーユルベーダのオイル・エステをうけ、明け方の便で上海乗り継ぎで日本へ帰りました。
仕事の合間のたった一週間の旅行。
得たものは(更に)真っ黒に日焼けした肌、ボロボロの爪&髪だけではなく、 精神的にエネルギーを得た、非常に、濃い旅でした。
チベット自治区と比べた時の、ラダックの自由な信仰。
深く色濃く残る、チベット文化。
その点には、心が痛んだものの、 たくさんの人の優しさと、笑顔と、美しい自然に出会いました。
こんな旅は私にとって一番のサプリメントだと思います。
限られた時間だからこそ、旅の時間と、人との出会いのありがたさがわかったような、そんな旅でした。 でもまたいつか、今度はもう少しゆっくりと、ここに戻ってきたい、そう心から思っています。