エベレストベースキャンプにはシンセンからきた5人の中国人といった。
私の友達の画家さんは副収入でドライバーをしている。
トヨタの大型のランドクルーザーで中国人観光客をチベット郊外に連れていき、車代をもらっているのだ。
チベットは交通が不便なので、ランクルをチャーターするか、ぼろバスかヒッチの両極端なのだ。
その中国人5人が、画家さんにドライバーを頼み、私も同乗させてくれることになった。
私は車代払ってないからちょっと心苦しかったのだけど、皆優しくしてくれていいひとだった。
エベレストまでの道程では、身体中耳の中までほこりまみれになった。
でもベースキャンプでチョモランマを目にしたときはその雄大さに思わず感動した。
世界中から世界一高いこの山を目指してやってくる登山家の気持ちを、少しかもしれないけど共感したような気がする。
それにベースキャンプからみた星空、はじめて肉眼でこんなに沢山の星を見た。
それに夜は超冷えて、冷えて、まったく忘れられない夜になった
帰ってきてから、” IN TO THIN AIR “(邦訳:空へ)というエベレスト登山記を読んだ。ネパールで、何度も目にしたこの青い背表紙の本は、読んでいるうちにまるで自分もその場所にいるかのような気持ちにさせられた。そして、エベレストの厳しさ、
その聖なる山に関りながら生きる人々たちの苦難と感動を伝えてくれる、
そんな1冊だった。エベレストに行こうと思っている人にはお勧めの1冊である。