印度といえば、騙される日本人があとを絶たないことで有名だ。
私も旅にでる前にインターネットで旅してだまされた人の記事を読み、調べた。
飛行場で拉致されてお金を騙し取られた人、旅行会社やお土産屋で詐欺に会った人々・・。だから私もそれなりの心構えをして印度に来た。
北印度のメジャーな町を歩いていると、本当に誰かしらかまってくる。
日本語で声をかけられることもしょっちゅうだ。声をかけてくる人のほとんどがみやげ物店やホテルやガイドを紹介してくれるなんて内容だった。
客引きにホテルまで、しつこく追いかけられたこともあった。リキシャやトゥクトゥクに乗れば、勝手に違う場所に連れていかれそうになるし。行く先々で、物乞いに追われたり、お土産屋さんではどんなに交渉しても1ルピ-も値下げしてくれない。
そしてタクシーはメーターで走ってくれない。すべての交渉に時間がかかし、どう考えても向こうが悪いのに、理論が通じないこともしょっちゅうだった。
私も最初は怒ったりもしたけど、それが無駄だと旅の途中で気がついた。
お金のある人たちが沢山お金を払うのは当たり前、そういう考え方を彼らはしているんだと受け入れた。
でももちろん無駄なお金は払いたくないから、その状況でできるだけ損をしないよう交渉する。そんな印度人との駆け引きを楽しみながら旅を続けていた。
例えば、私にガンジス川の有名な火葬場のあるガートで頼みもしないのに、勝手にガイドをしてくれた自称公式ガイドのインド人。
その彼の説明に適当に相槌を打って、彼の話しを聞いていた。説明が全て終わり、最後に彼が(もちろん彼の懐に入るのだろう)寄付金の名の元に私にお金を求めた。
私はひとこと。。”sorry,,,,, No—- English.No—- English。” そのインド人は「はぁー?!」みたいな顔をしていたので、ちょっと罪悪感も生まれたが、彼はすぐに次のターゲットの外国人を見つけて私の元から走りさっていった。
もちろん、親切なインド人にもたくさん出会った。
親切にしてくれるひとももちろん沢山いる。長距離列車の中で、物乞いに足を引っ張られて、私が困っていたとき追い払ってくれたインド人の女性。
公園の芝生でインドの民謡を歌ってくれた姉妹とその両親。自分自身が最大限気をつけていれば、インドは噂に聞くほど、旅のしにくい場所ではないと思う。