去年はラサのメインである、ポタラ宮やガンデン、セラ寺などだいたい回った。だから今年は
主にちいさめな場所、それに破壊された寺を中心にまわった。
観光促進のためほとんどの寺院は改修が進んでいるけれど、でもまだ痛々しい場所が残っている。
そして、その傷は、人々のこころにももちろん残っていると思う。
ラサで好きなところはアニ・ツァングン。黄色い壁の、尼さんのお寺。きれいにしてあって、花がたくさんある。
それとガイドブックには載っていない、ラサの近くにある寺、雄芭拉曲の聖なる泉。
結局、ラサには2週間くらいいた。ホテルに(といってもドミトリーだけど)とまったのは最初の2日だけで、
あとはラサにいる去年お世話になったおじいちゃん画家さんのお家に世話になった。
毎日ラサに住む中国人たちと遊んだり、餃子を作ったり。
ジョカンの前で画家さんが絵を書いている間、座って五体投地する人達を眺めていたり。
一人で小さいお寺巡りをしたり。 何もせず本を読んだり。。 のんびりした、日々だった。
そして、ラサの中心、ジョカンでは友達になったラマさんのお部屋に入ることができた。そこで、あの方の写真を目にして驚いた。
中国側のチベット圏では絶対に見ることが出来ないといわれていたから。
とにかく、そのラマさんはとても良い人で、私達が遊びにいくとおいしいチャイをごちそうしてくれ、いろいろな話しをしてくれた。
その部屋にあった、昔のポタラ宮の写真も印象的だった。
今の車の往来の激しいコンクリートの道ではなく、ポタラの前には小さな村と大きな庭が広がっていた。
私がラサを去る前の晩、そのラマさんはお守りをくれただけでなく、カタをかけてくれた。
チベットのカタ、それは旅立つ人の平安を祈るときに贈るものである。感動して涙がでそうになった。
インドからきたというそのカタは、クリームいろをしていた。
”the most impressed day,,”ラサの最後の1日、日記に私はそう記した。