私がチベットを初めて訪れたのが2003月の夏。
壮大なポタラ宮、懸命に、ラサの中心の寺、ジョカンに向って五体投地を続けるチベット族の人々、
マニ車を回し、オンマニペメホンと唱えながら美しい髪形、衣装で歩いている人々。
今まで訪れた中国の都市とは全く異なる、その独特の文化や習慣だけでなく、自然の美しさそして厳しさに、魅了された。

そして運良くチベットのお祭り、ショトン祭にラサにいた私はガンデン寺、セラ寺には巨大タンカ開帳を見に行ったり、
一人で、中国人のふりをしてバスチケットを買い、中央チベット(シガツェ・ギャンツェ・サキャ)を旅した。
ラサから成都までは中国人6人とランドクルーザーで踏破し、そして北京に戻った。
そして、完全にチベットにはまってしまった。


帰ってきてからもチベットへの情熱は覚めやらず、大学で民族学の授業をとりチベット族含め中国少数民族の文化・生活体系を学んだりチベット族の友達をつくりチベット語の相互学習をはじめた。翌年も、チベットを訪れることを、ココロに決めていた。

そして、今回2回目のTIBET。

1回目と違うところはチベット族の文化を多少勉強してからきたところ。ダライラマ法王の自伝を読んでいて、こう思った。。。


今回は去年のようにチベット人を見て、寺院を見て、自然をみて、キレイだぁ、感動だぁ、わーチベットってすごーい、で終わらない旅にしたい。
謙虚な姿勢を大切にしながら旅をしたい。だって、旅で通りすぎるのはほんの一瞬にすぎないから。

それで、その場所を、その場所に住む人々のくらしを判断するなんて、できない。でも、隠されている深い事実や人々の気持ちを少しでも知り、
いろいろな方向からチベットを感じることのできる旅にしたい。私はただの旅行者に過ぎないし、そこを過ぎる時間は一瞬だけかもしれないけど、
そこから何かを学んでいきたい、そう思うから。

・・・というのが、私が旅をはじめて2週間目、青海省にいるとき日記に書いていた文章。今に日本に帰ってきてはたしてそんな旅ができたかどうかは正直全然わからないし、もしかしたらチベット族の思いなんて全然理解できてないかもしれない。でも、去年よりも、自分の中で感じたことが深かった、と自分では思いたい。

今回チベットにいたのは約1ヶ月半。
ラサでは昨年知り合ったチベット族を描く画家さんのお家にお世話になり、そのおかげで沢山の人たちに出会うことが出来た。
ラサの中心、大昭寺(ジョカン)で暮らすラマさんもその一人だ。彼はラマ僧だけど、主に仏像に装飾をする仕事をしている。一体の、彼が装飾した仏像を見せてもらった。ラサ河からあるチベット人が見つけてきたものだというその仏像は、おそらく中国による侵略の時代に、河に投げ込まれたのだろう。
彼の手元に届いたときは、さび付いて酷い状態であっただろうその仏像も、彼の手によって美しく生まれ変わっていた。手を合わせたとき、心がなんだか落着いた。

そして、他にも色々な人たちと巡り会う事ができた。
チベットで仕事をし暮らしている中国人漢族の人たち。
ジョカンの前で毎日五体投地している尼僧さん
チベットにくるたくさんの外国人、
ハードな旅をしてきている日本人。

そしてたくさんのチベット族のひとたち。。。
すべての出会いが私にとってかけがいのないものであったと思う。

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